千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

和菓子にまつわるおススメの本&ブログ

*10/17に更新した記事ですが、少し加筆・修正して10/24に再アップしました。(最後にお気に入りブログを追加しています。)

前回の記事で和菓子が登場しましたが、今回も引き続き和菓子のお話です。

私は緑茶が大好きなので、和菓子がとても好きです。
「見た目が綺麗」だし、「お茶に合うしおいしい」から好きという程度でしかなかったのですが、今更ですが最近和菓子の奥の深さに気づきました。

今日は、和菓子にまつわる本(絵本1冊と本3冊)と最近お気に入りのブログを紹介したいと思います。

和菓子にまつわる絵本「かっこわるいよ!だいふくくん」

これは、私がとても好きな絵本です。

子ども達が小さい頃には本当にたくさんの絵本の読み聞かせをしましたが、その中でも特に記憶に残っている絵本です。

ネタバレになってしまうので詳細は書きませんが、オチ的なところで「おおっ」と度肝を抜かれ、物語の終わりではとても切ない気持ちになる、何ともいえない味わいのある絵本です。

表紙いっぱいに描かれているへの字眉毛のだいふくくんは、全然かっこ悪くないことがわかります。
さて、この絵本から皆さんどんなことを読み取るのでしょうか。

他のいろいろな和菓子が登場するところにも注目すると面白いかもしれません。


残念だったのは、子どもたちがこの絵本を覚えていなかったこと。オチと結末を伝えたらようやく思い出してくれました。うーん。

和菓子にまつわる本3冊:和菓子のアンシリーズ

おススメなのは、坂木司さんの「和菓子のアン」シリーズです。
シリーズで3冊目あります。


このシリーズのタイトルはこんな感じです。

  1. 『和菓子のアン』
  2. 『アンと青春』 
  3. 『アンと愛情』

ふふ。
タイトルだけでもクスリとしてしまいませんか?(ぜひ10作続けてほしいですね)

さて、この本は、一言で言えば「デパ地下の和菓子を舞台にしたミステリー」です。
もう一言付け加えるなら、「和菓子の入門書」といったところでしょうか?

ミステリーというよりは初心者向けというかラノベといった感じかなとは思いますが、この本を単なるミステリー小説またはラノベとして読んでしまうともったいないと思います。

主人公の杏子(きょうこ)ちゃんが高校卒業後の進路に迷い、デパ地下の和菓子屋さんでアルバイトとして働き始めるところから物語は始まります。ぽっちゃりな体系から「アン」ちゃんと呼ばれるようになるのですが、それもなんともかわいらしい。
はじめは和菓子について何も知らないアンちゃんですが、お店の仲間やお客様のやり取りの中で和菓子の由来や冠婚葬祭について知識を得ていきます。私もアンちゃんと一緒に和菓子についていろいろ知っていけるのがとても楽しいです。

そもそも私は和菓子が好きといっても4月は桜餅、5月は柏餅、程度なもので、1年を通じて毎月季節ごとにいろいろな和菓子があるだなんて、意識もしたことありませんでした。(いつ行っても綺麗な和菓子がおいてあるなあ・・くらいな。)

子どもを育てる上で四季の行事や旬の食べ物などはなるべく意識するようにしてきましたが、うわっつらだけだったわ、甘い甘い。

それにしても、和菓子にこんなに奥の深い世界があるだなんて。

1作目の中だけでもドキドキする記述がたくさんありました。

和菓子は俳句と似ている

(略)

俳句は短い言葉で出来た詩の中から、無限の広がりを感じることができる。でも知識がなくても言葉の綺麗さは伝わるし、知識があったらその楽しさはもっと広がる。ね、似てるでしょ?

(略)

季語があったり、言葉遊びがあるところなんかもそっくり。

 

和菓子は人生の様々な局面(=冠婚葬祭)に寄り添うことも知った。
(青字は未来堂による注釈)

 

和菓子の世界は、見立てやメッセージに満ちている。

 

和菓子を学ぶことは、そのまま日本の歴史を学ぶことだ


お読みいただくと分かると思いますが、和菓子を知らない人にでもこういったことがするりと入ってくるようにわかりやすく話が進んでいきます。

この本のレビューを見るとあまり高くない評価も見られるのですが、和菓子の世界に興味が持てるかどうかが評価の分かれ目になるのかもしれません。

私はすっかり和菓子のとりこになってしまいました。
今度デパ地下に行ったら、絶対和菓子屋さんに行こう、いや、まずは近所の和菓子屋さんへ買いに行こう!とさえ、思ってしまいます。 

 

3冊目は10/22に発売でした。電子書籍で予約しておいたところ、前日の21日には読めるようになっていたので、ちょっとお得な気分でした。

2冊目、3冊目同様、いろいろな和菓子が登場していたし、マーカーを引きたくなるようなドキドキさせられた記載もたくさんありました。 恋愛のお話は思ったよりも進展がなく少し残念でしたが、そのあたりは続編に期待したいと思います。

お気に入りの和菓子ブログ

最近お気に入りの和菓子ブログがあります。
実は、「和菓子のアンシリーズ」の本もそのブログを見て知りました。

mainichi-mochidango.hatenadiary.com

ほぼ毎日更新されているブログで、朝からこのブログを読むととても幸せな気分になる、とても幸せなブログです。

このブログを書いている方は東北の和菓子やさんの和菓子を紹介してくださっているのですが、どれもとてもおいしそうです。
写真はもちろんですが、見た目や触感、味の描写が絶妙で、自分が食べているかのような気分になれます。

このあたりは、「孤独のグルメ」の和菓子版といった風・・・かもしれません。

そして、おいしそうな和菓子の説明に加え、豆知識というか、和菓子にまつわる小ネタ(と書いてしまうと軽いかも)もところどころにちりばめらています。

そして、最後に入る「ごちそうさまでした」の一言がとても温かく、和菓子への愛情が感じられて、なんだか朝から優しい気持ちになれるのです。

和菓子はただ「食べておいしいだけ」でこれまで生きてきましたが、それぞれの和菓子にまつわる話や歴史を知れば、もっとおいしく楽しくなれるな、とこのブログや「和菓子のアン」シリーズを通じて思いました。

これから和菓子職人になったりお茶を始めたり・・・というのは今の私には現実的ではありませんが、少しこれまでと違った見方をしてみるだけで、人生が少し楽しくなりそうだな、と思うきっかけとなりました。

和菓子や甘いもの好きの方は必見のブログです。

  

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