千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

Make sure to ~という表現を使うかどうか?

過去ブログの記事で結局公開しなかったネタについて、少し加筆して書いてみました。
(*12/26、ラジオ英会話について追記しました。)



「Make sure to ~」(必ず~してください)という表現について検索すると、いろいろな解説サイトが出てくると思います。
Make sure toの後ろに動詞の原形を置く、こんな使い方です。

Make sure to close the door.
(必ずドアを閉めてください。)


この「Make sure to~」という表現ですが、私は翻訳をする際にはこの表現は基本使いません。
それは「Make sure to~」は「Make sure (that)~(~を確認してください)」を「Be sure to~(必ず~してください)」と混同してしまった結果の「誤用」ではないかと思っていたからです。

でも実際は、Googleなどで検索してみると「Make sure to~」はものすごい数がヒットしますし、英語の文法解説サイトの解説記事がが多数見つかります。
世の中ではもう大分受け入れられているのだと思いますし、実際ここ数年で何度か「そこまでして避ける必要もないのかな」と思わされたこともあったので、少しずつ信念(というと大げさすぎるかも)が揺らいできいています。

Make sure  that ~とBe sure to~のおさらい

「Make sure (that)~」と「Be sure to~」についておさらいしたい方は、以下のサイトを見てください。
(出典は『The Japan Times Alpha』のコラムだそうです。)

eigonodiy.com

というわけで、最初の表現に戻りますが、「必ずドアを閉めてください。」であれば「Be sure to close the door.」とし、「Make sure to close the door.」とは私は書きません。

Make sure ~を使うのは、that節を置いて、「Make sure that the software has been installed properly 」(ソフトが正しくインストールされていることを確認してください。)というときに使っています。(make sure of~もありますが、今回省略します。)

なぜ最近揺らいできたのか・・?

昔、英語のネイティブの方で「書き言葉ではMake sure to~は間違っている」と言っていた方がいました。

文法書にも辞書にも例文は載っていなかったし、多言語の取説の編集チームにいたときに担当していた電気製品の取説(英文)でも「Make sure (that)~/Be sure to~」が使われていたので、その後自分自身で翻訳を始めた後でも「Make sure to~」は使ったことはありませんでした。

ところが、2年ちょっと前に今いる部署にもう1人若い翻訳スタッフが入ってきたのですが、この方は普通にMake sure to~を使っていました。

これまで今いる会社ではずっと「Make sure (that)/Be sure to~」で書いてきているので、取説など1つの文書を分担する場合には「Make sure (that)/Be sure to~」で揃えてもらうことにしていたのですが・・。

ところが昨年、私たちが翻訳した取説にアメリカの支社のネイティブチェックが入ったのですが、安全文も含めて「Be sure to~」が軒並み「 Make sure to~」訂正されてしまいました。

ここで初めて、私自身の認識って思い込みだったりするのかも?と考えてしまったのでした。

ただ、ここでチェックをしてくださった方はライティングなどに精通された方ではなく、一般の技術者らしいとのこと。他にも口語と思われるものもありましたので、書き言葉として正しいかは別の問題なのかもしれませんが・・。

ラジオ英会話でも!

娘と一緒に今年から聴き始めた「ラジオ英会話」で、10/27にMake sure to~が登場したのです。

Make sure to lock all the doors before you leave.
This is not the safest part of town.
家を出る前に必ずドアのカギをすべてかけるようにしてください。
ここは町で一番安全な場所というわけではないのです。

Make sure to give Tom my best wishes when you see him, OK?
トムにあったとき、必ずよろしくお伝えください、いいですね?

ラジオ英会話にまで出てきているのだから、これはもう定着していると考えてよいのかもしれませんね。

現地のネイティブチェックとラジオ英会話への登場が、気持ちが揺らいだ理由でした。

辞書の記載は?

私の愛用の辞書DF-X10001で調べてみましたが、

<make sure toの記載あり>

  • ランダムハウス:記載はあるが、例文はなし。
  • 研英大:記載も例文もあり
    make sure to have a ticket [that one has a ticket] (切符を確保しておく)

<make sure toの記載なし>

  • ジ英大
  • L英和
  • ODE
  • OALD
  • LDOCE
  • OIDM

記載がないものがほとんどでしたが、研英大には記載がありましたねぇ。
でもまだ辞書に本格的に載っているわけではないので、しばらく「Make sure toは使わない」方針を続けてみようと思います。

私はネイティブでもないし留学経験もない日本育ちなので、(少なくとも自分が)正しいと思える記載をしておくのが無難なので・・。

でも、言葉は生き物なので、会話などでは使えるものという認識は持っておこうと思います。
変にこだわりすぎて、気づいたら「候文」のように時代遅れな表現ばかり使っている・・なんてことにならないよう、いろいろな文を読んだり音声を聞いたりはしておきたいですね。 

 

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