先週からちょうど論文の翻訳を始めたので、少し前に購入したこの本を読むことにしました。
第II章まで読み終えたところなので第III章以降はまだざっと目を通した程度ですが、今日はこの本を紹介させていただきます。
PubMedの検索については説明を受ける必要は全くない、論文もばっちり読めるという方には読む必要のない本だと思いますが、これから論文の翻訳をやる方、論文を読むのに時間がかかって困るという方にはおすすめの本だと思います。
この本の構成
第I章 医学英語論文を読む目的
この本は医学部学生、大学院生や若手の臨床家向けに書かれたものなので、翻訳者が論文を読む目的とは少し違っているかもしれませんが、参考になることもありそうです。
第II章 文献検索のスキルアップ
目的に合わせた検索や、PubMedの検索のやり方について書かれています。
PubMedの使い方については私はこちらを参考にしています。
この本で解説されている検索方法も基本的には同じだと思うのですが、研究者が普段論文を読むのに使う最低限の検索方法に絞って書かれていると思うと、効率の良い検索方法として参考になるのではないかと思います。
第III章 医学英語論文の読み方スキルアップ
筆者は論文の斜め読みは賛成できないとしていて、「時間がないから全部読み飛ばす」のではなく、「時間がないから全部を早く読む」よう、精読を進めています。
この章の前半では一般的な速読スキル(スラッシュリーディング、返し読みをしないなど)について書かれているのですが、注目したいのは、後半に書かれている「予測読み」のテクニックです。論文の各項目ごとに説明が書かれています。
実をいうと私自身、「翻訳に必要な情報が取れればいいから斜め読みでよいだろう」と思っていたので、この章に書かれている「予測読み」については、研究者の進めるすばやく熟読する方法の1つとして、しっかり読んでおきたいと思います。
第IV章 実践・臨床研究論文の読み方
この章についてもまだ読んでいないのですが、論文の各項目について、論文報告のガイドラインに沿って説明がされているようです。
よくよく考えてみたら、短いものだとはいえ、論文一本を英訳するのは初めてです。
今更ながら、こちらの本も拾い読みしていますが、かなり参考になります。
本はただ読むだけでももちろん参考にはなるのですが、必要に迫られて必要な情報を見つけてそれを実践できたときに初めて身に付くもので、こういう積み重ねが蓄積されて、実績となり、自分の自信にもつながるんだなと、しみじみと思いました。