去年は翻訳祭レポートをせずに終わってしまったため、今年はできる限りレポートを書いてみようと思います。(ほとんどが録画配信を見てから書くことになるので、少し遅れ気味になるかもしれませんが。)
毎年書いていることなのですが、イベントのレポートを書くときには、どこまで内容に触れてよいものなのか考えてしまいます。
有料のイベントである以上、事細かに書いてしまうのは主催者にも登壇者の方にも、そしてお金を払って参加されている方にも失礼ですしね。
一昨年あたりは「オフレコ」と言われない限りはSNSで取り上げるのはOK・・という雰囲気でしたが(たしかそういった情報も流れた)、去年や今年はどうなのでしょうか?
「常識の範囲内」ということだと判断し、自分の感想を中心に書いていきたいと思います。
テーマ
共に創ろう、新たな時代の言語イノベーション ~翻訳・通訳の持続可能な発展を目指して~
これが今年の翻訳祭のテーマです。
少し過去に話がさかのぼります。
初めて参加した第27回翻訳祭のテーマは、「きわめよう、それぞれの道~つなげよう、言葉の世界」でした。
「翻訳に未来はあるのか?」といった問いかけに対して、登壇者の一人の実川元子さんが、「未来はある」とハッキリと言ってくださったのがとても印象的でした。
この年の翻訳祭には、「ひとりひとりが道をきわることで、それぞれが翻訳業界を支える存在になっていかなくてはならない」というメッセージが含まれているように感じました。そのためにはどうすればよいのか?
翻訳祭に登壇された方々からその答えを見つけることができ、感動と興奮に包まれて帰宅したのを覚えています。
28回テーマは「時代が創る翻訳イノベーション」、こちらは京都開催だったため、残念ながら参加はできませんでした。
2回目の参加となった第29回翻訳祭のテーマは、「新たなる時代の幕開け ~言葉のスペシャリストたちの新しい船出~」でした。
この年はちょうどMTが急激にシェアを伸ばしてきた時期で、セッションの中にもMTを意識したものが多く見られました。私もMTの導入検討の主要メンバーに選ばれていたので、MTのセッションを中心に参加しました。
この年の翻訳祭レポートでは、こんなことを書いていました。
平成が終わり、令和という新しい時代を迎えた今、MTが台頭してきている中、翻訳者はこれからどう生きていくのか?
まだ不確定要素が多くて翻訳業界のスタンダードが決まっていない中、みんながそれぞれに生き残りをかけて進むべき道を模索している様子がひしひしと感じられました
そして、昨年の第29.5回のテーマは、「つながる時代を生き抜くために ~原点への回帰と進化の道程~」でした。
コロナ禍で会場に足を運べなくても、情報収集をできる場を与えていただけたことに感謝をしながら動画を視聴しました。
モチベーションアップ、業界の情報を把握することができたのはもちろんのこと、これまでの自分を振り返り、今後どうやって翻訳に関わっていきたいのかということを再認識することができたのでした。
そして、今年のテーマ、「共に創ろう、新たな時代の言語イノベーション ~翻訳・通訳の持続可能な発展を目指して~」。
ここ数年で「持続可能な」という言葉を耳にする機会が多くなってきている中、翻訳にも「来たか!」というのが最初の印象です(笑)。
機械翻訳が広まり、ポストエディットという仕事が生まれ、コロナ禍で世の中が大きく変わる中、翻訳のありかたも大きく変わっていきつつあります。
そんな中で翻訳者がこれからも長く仕事をしていくためにはどんな意識やスキルが必要なのか、これから参入する人、現在頑張っている人、それぞれの人が今後でどういう形で翻訳を続けていくのか考えるよい機会になりそうです。
ほんの数年前とは状況が全く変わってしまい、これまで考えてもなかったところで仕事が増えたり減ったりしています。アフターコロナの時代を見据え、自分が今後どうしていきたいかを今年もまた改めて考えていきたいと思います。
オープニングセッション
とにかく早く聴きたかったので、イヤホンをつけて別の作業をしながらケータイ画面をチラ見しつつ録画を視聴させていただきました。
昨年に引き続き、主催者、登壇者、サポーター企業など、本当に多くの方がこの翻訳祭に関わっていることがわかります。
今年は、去年はなかった「ブレイクアウトルーム」というものが新しく登場しました。
これは、一昨年までの、企業展示ブースのオンライン版だそうです。
残念ながらこちらは参加できなかったし録画もないため、どんなものだったのかは詳しくはわかりません。展示ブースでの情報収集をするにはよかったのではないでしょうか?
このブレイクアウトルームに入るには、実名の表示が必要なようなので、ちょっとドキドキした方もいらっしゃるかもしれませんね。
Zoomも、ウェビナーだけではなく、アンケートやブレイクアウトルームなどいろいろな機能があるのは面白いですね。
2週間のに渡って続くプログラムの紹介動画等が流れるなど、今年の翻訳祭の全体像をざっと眺めることができ、かなり気分が盛り上がりました。
前回の記事では今回絶対に参加したいプログラムにマークした写真をアップしましたが、マークをしなかったからと言って興味がないわけではありません。
時間は限られていますが、できる限りたくさんのセッションを聴けるよう、2週間有意義な時間を過ごしたいと思います。
以上、最初のレポートでした。