千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

第30回JTF翻訳祭2021④ レポート:動画時代の翻訳 ー産業字幕翻訳は怖くない!

盛り上がっている第30回JTF翻訳祭もとうとう後半戦の後半に突入します。
後追いで録画を見ているのですが、レポートまではなかなか難しいですね💦

『動画時代の翻訳 ー産業字幕翻訳は怖くない!』

登壇者は十印の菊池大悟さん。
司会進行は帽子屋の高橋聡さんでした。

菊池さんはもともとフリーランスでメディア系の通訳者・翻訳者としてお仕事をされていたとのこと。その経験も踏まえ、十印での産業字幕翻訳案件に対する取り組みについてお話してくださいました。



このコロナ禍で産業翻訳の字幕翻訳案件が増えているというお話をきいています。

残念ながら現在は字幕の翻訳案件が回ってくることはないのですが、1年ほど前に副業のチェックで字幕案件を受けたことがあり、とても面白いと感じました。
機会があればぜひ翻訳をやりたいと思っています。

17年ほど前に私が翻訳会社にいた時にも字幕案件のチェックを手伝ったことがあるのですが、動画のあり方が大きく変わっている今、どのような心構えで受け、どのように進めていけばよいのかを知りたくてこのセッションを視聴しました。

当時私が参加した動画の字幕翻訳案件が「動画」と言えるものなのかどうかはわかりませんが、カメラの取説を動画化して本体に組み込む(Web上に載せるだったかな??)という話でした。

その翻訳会社ではもともと動画翻訳は一切受けていなかったのですが、取説やソフトウェアのUIの翻訳の延長として受けた仕事でした。
自分が中心の案件ではなかったのであまり記憶が残っていないのですが、文字数や改行位置などについては映画のように取り決めがあったわけではなく、スペースに合わせて読みやすさを重視、その都度適当に・・といった感じで、クライアントとの間で話し合いながら進めていったのだったと思います。
試行錯誤なだけにやり直しも多く、通常の翻訳作業と比べてものすごく時間がかかっていた記憶があります。

さて、昔話はこの辺にして・・・
ここ最近増えている動画の字幕案件でも基本となる案件の延長で発生しているものも多く、だからこそ字幕翻訳の経験がない会社(または翻訳者)にも依頼が回ってきているのだと思います。

言ってみればチャンス。「字幕」というと遠い世界の翻訳のことのように思いますが、ここで産業字幕翻訳案件に対応できるかどうかで翻訳者としての幅も変わってきそうなので、苦手意識を持たずにいられたらいいなと思います。

とはいっても、具体的に映画の字幕翻訳とどう違うのか?
どうやって取り組んでいけばいいのかが全く分からない・・そんな人にとても分かりやすいお話でした。



ここまででもだいぶ長くなってしまいましたが、しばらく寝かせているうちに、すっきりまとまった記事がアップされていましたので勝手に引用させていただきました。

 

mowaaru.hatenablog.com

 

たーにゃさんも書いていらっしゃいますが、「作業工数の見積もりと単価について」は私もぜひ知りたいと思いました。

UIの翻訳同様、通常の翻訳とは違って単純に文字数だけでカウントされてしまうと、割に合わないと思ってしまいます。・

また昔話になってしまうのですが、私が翻訳会社時代にUI翻訳を依頼していた時には、通常の翻訳料金の1.5~2倍の額で依頼をしていました。
一般的な料金がどの程度だったのか、今では一般的にどのくらいの額で依頼されるものなのかが分かりませんが、自分が実際UI翻訳をやってみる立場になると、工数がかかる分価格もそれなりのものでないと割に合わないと感じてしまいます。(今は単価で動いていないので良いのですが。)

昨年字幕の翻訳案件の翻訳チェックを受けた時には、金額は通常と同じ額での依頼でした。
実際には翻訳チェックだけではなく、元の動画を見て確認するなど、+αの作業も発生したため時間も少し多くかかりました。
字幕のチェック案件に興味があったためそれでもメリットがあると思って通常の単価で受けたのですが、スクリプトがなかったりルールが決まっていなかったりすると、やはり工数がどんどん増えてしまいます。

そのときの案件ではコーディネーターさんが綺麗に整理してくれていたのでとてもやりやすく、負担に感じることはなかったのですが、いつもそうとは限らないですしね。

やはり、最初の確認とすり合わせが重要ですね。

このテーマについては引き続きアンテナを張っていきたいと思います。

おまけ

本題とはあまり関係ないのですが、今回のセッションを担当された菊池さんの落ち着いた態度と、高橋さんの絶妙なフォローに対し、拍手を送っていました。

Zoomのセッションは、見る側としてはだいぶベテランになりましたが(?)、登壇する側は苦労が多いのだろうと、毎回視聴のときに思っています。

相手の反応が見えないところで話すのは話しづらいでしょうし、時間の制約がある中でマイクや共有のトラブルがあると、私だったら慌ててしまいそうです。

今回は、少しも慌てずに対応される菊池さん、絶妙なタイミングでところどころで補足情報を入れてくださる高橋さんのおかげで、きいている人たちはみんな期待以上の情報を得られたのではないかと思います。

セッションから得られる情報以外にも、こういった技(?)もいろいろ参考になることが多いです。

引き続き、レポートアップと、残りの動画視聴、頑張ります💦

 

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