千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

『謎解きの英文法 省略と倒置』を読みました。

昨年末から読み始めたのですが、先週、ようやく読み終わりました。

この本は、くろしお出版社の「謎解きの英文法」シリーズのうちの1冊です。
「謎解きの英文法」は、以前から気になっていました。

「倒置」。
読むときはともかく、書くときに自分で使うことはほとんどありません。

そういうわけで、シリーズ最初の1冊として「省略と倒置」を読んでみることにしました。(目次は下記のサイトから見ることができます。)

www.9640.jp

カラフルな色と「謎解き」という、ワクワク感をそそるようなタイトルに惹かれて気軽に手に取ってしまったのですが、この本は気軽に読む本ではありませんでした・・・。

初めに問題を提起し、例文を挙げながら仮説を立て、そしてその仮説を丁寧に検証していき、最後に結論を述べる。少しカジュアルな論文、といった感じです。

各セクションの最後には必ず「まとめ」があったのですが、しっかり内容を理解しながら読んで「まとめ」にたどりつくまでに、かなり時間がかかりました。
でも、その分大きな収穫もあったので、読んでよかったと思います。

3章くらいまでは「ふーん」という感じだったのですが、面白くなってきたのは4章以降から。

特に6-9章の内容は、疑問に思っていた謎がスッキリ解けた感じでした。

■第6章 従属接続詞の反復

I used to live on instant ramen when I was young and I didn’t have much money. 若くてお金がなかった時期にはインスタントラーメンを常食としていた。
(=単一の時期を示している)

I used to live on instant ramen when I was young and when I didn’t have much money. 若いときとお金がなかったときにはインスタントラーメンを常食としていた。(=2つの異なる時期を示している)

これまで自分ではwhenを繰り返すべきか迷いながらも、文の意味がwhenにつながらずに別の文として読めてしまうときに繰り返すようにしていて、要するに、whenを繰り返す時と繰り返さない時と、フィーリングで読み書きしていた感じです。
どうすべきなのかはっきり答えが見つけらず、私の中では「ウォッチ案件」になっていました。

今回思いがけずに根拠になるものが見つけられて、スッキリしました。
今後は読むときも書くときもしっかり意識していこうと思います。

同様にbecause/after/before/if、the fact that節thatの反復、非反復ついても説明されています。

また、7章から9章にかけては、小説などによく登場する文、いわゆる「There構文」と「場所倒置構文」について書かれていました。

■第7章 書き言葉にみられるThere構文~どんな動詞が用いられるか

例文:
Once upon a time there lived a king who had three beautiful daughters.
昔々、3人の美しい娘のいる王様が住んでいました。

■第8章 場所倒置文~There構文とはどこが違うか
■第9章 場所倒置文~どんな動詞が用いられるか

例文:
Once upon a time in a faraway land lived a contented prince.
昔々遠く離れたところに幸せそうな王子が住んでいました。

そういうものだと思って読んでいたので理解に困ることはなかったのですが、自分でこのタイプの文を書くことはなかったので、どんな動詞が使用OKでどんな動詞が使用不可なのかについては考えたこともありませんでした。
なかなか興味深く読めました。

スッキリはしたものの、なんとか理解できたという感じで、自分の中ではまだ消化しきれていません。
少し時間を置いて、もう一度読んでみることにします。

このシリーズは全部で11冊あるので他の本も読んでみたいのですが、読み切るにはなかなか根気がいりそうですね・・・。