千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

【読了】 Glass Woman

今回は、近未来サスペンスに挑戦。
2月末くらいから読み始め、ようやく、ようやく、読み終わりました。

誰かのツイートを見て面白そうだなと思って「ほしいものリスト」に入れておいた本だと思います、たしか。

初めの方はサクサク読めたのですが、話がなかなか進まないので飽きてしまい、最後まで読み切るのにとても時間がかかってしまいました。

ざっくりあらすじ(少しだけネタバレあるかも)

主人公の Iris が目覚めると、そこは病院のベッドだった。
過去の記憶がない。横にいる男性はどうやら夫らしい。

自分が研究所に勤めていたことや、うつ病の手術を受けたこともわかったけれど、どんな手術を受けたのかは教えてもらえない。

その後、医者から話を聞き、自分が新しく画期的な治療を受けたことを知る。Ariel という名前の小型AIを脳に埋め込み、うつ病の引き金になった出来事の記憶だけを取り除くという・・・。

Arielが脳に統合されるまでの時間は6週間。
何が本当で何が嘘なのかがわからず、疑心暗鬼になりながらも、真実を探ろうとする。

・・・といったところでしょうかね、あらすじは。

ざっくり感想

登場人物も場面も少ないので、とにかく話が進まない。主人公が疑心暗鬼に思いを巡らせ行動し続けるのが長すぎて、ちょっと飽きてしまいました。
うつの引き金になった traumatic memories が何なのか・・?とか、「核心に迫ってきたか?」と思えるのが、半分を過ぎてからとか・・💦

でも、不安をあおるような不気味な雰囲気というか、ちょうど表紙のような青っぽく暗い感じは、よく表現されていたような気がします。

また、今、話題(?)のAIがテーマになっているのはとても面白いと思いましたし、それなりにいろいろ考えさせられることもありました。

脳にAIのインプラント手術を受けたことを聞いたときの医者の発言はまさにマッドサイエンティストでした。

"(略)Imagine if your brain could create new pathways, freeing you from past, negative behaviour patterns. Imagine what your future could look like. If you could liberate yourself from the boundaries of your own perception, recollect your own history with only the best bits intact. So much of our anxiety is a product of fixating on past experiences we have been scarred by, and our worries about future events that will never happen. What if you could be free from that anxiety? What if you could be freed from the limitations of your own perception entirely?"

ところで、この作品を読んで、イーロン・マスクのニューラリンク(Neuralink)を思い出しました。

「脳とコンピューターの接続」、こういったものが現実になりつつある今、この本を読めたのは、なかなかいいタイミングだったと思いました。