千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

大学卒業25周年イベントに参加して得たもの

大学の卒業25周年&50周年のイベントに参加しました。

全ての思い出は古き良き西ヶ原キャンパスにあるので、一度も通ったことのない現キャンパスを見ても何の愛着も感じられず、卒業生としての意識も愛校心も全くなく、大学の情報を追いかけることもなくこれまで過ごしてきてしまいました。
でも、今回このイベントに参加したことで大きく気持ちが変わり、自分でもちょっと驚くほどでした。

また、学長のお話から「AIの時代での今の大学の存在意義、言語を学ぶ意味」をきくことができたのもとても良かったです。

卒業生という意識、まるでなし

卒業後すぐにキャンパスが移転してしまい、通いなれた西ヶ原キャンパスはもうなくなってしまいました(跡地訪問は過去記事参照)。

フランス語科(以下「フラ科」)卒なのにフランス語に全く触れていない今の状況をやや後ろめたく思っているからというのも理由の1つですが、新キャンパスを見ても何も感じず、大学名を聞くと懐かしくはあるけれど、愛着もさほどなく、誇らしく思うこともなく来てしまいました。

それをこれまで何とも思ったことはなかったのですが、あれ?と思ったのは、昨年末と、今年の春の2回。

1回目は昨年末、同じ語科のある子に卒業以来初めて会ったのですが、その子は同窓会をうまく利用して海外で交流をはかっていること、学校の最新情報もちゃんとフォローしてることをきき、衝撃を受けました。同じ卒業生なのに、私は何をしてたんだろう・・・と思ったりもしました。
また、やっぱり同窓会に入っておけばよかった、今から入ろう!・・・とサイトにアクセスしたものの、今から入ると15万円かかる知り、あきらめました。
が!卒業時に同窓会に入っておけばよかった・・と初めて思ったのでした。

2回目は、今年の4月に娘が大学に入学した時のこと。
入学時にまず大学の同窓会への入会案内があったのですが、驚いたのは同窓会の規模・組織力やサポート力の大きさとその存在感。(入会金が15万よりもずっとずっと高くて驚いたのですが、意義も恩恵も大きそうで、もちろん入会しました。)
また、卒業生(在校生も?)の大学への愛校心や誇りといったものも強く感じられ、自分にそれが全くなかったことがますます残念に思えたのでした。

思い出した連帯感・仲間意識

そんな思いを抱いていたところに届いた25周年イベントのお知らせ。
最初は行くか迷ったのですが、昨年末会った子がわざわざ海外から参加するからみんなで集まろうと、フラ科の連絡が取れる人に一斉に声を掛けてくれたのでした。

行ってみると、25周年の参加者は50名ほどでした。
全語科あわせると同じ学年には800人くらいいたはずなので大分少ない気もしますが、50人のうちフラ科の参加者は11人と考えると、驚異の参加率かもしれません。
(ちなみに、50周年の方もフラ科参加者が一番多かったです。)

先生同士の仲があまりよくなく、「フラ科は個人主義の集まり」と言われ、2年生が本来やる語劇も私たちは参加することなく終わってしまったのですが、意外と結束力あるじゃないか‥と驚いたのでした。

定期的に会う友人、25年ぶりに会った友人、様々でしたが、会っていなかった期間なんてまるでなかったかのように自然といろいろ話すことができました。また、忘れていたような話も思い出し、とても楽しい時間を過ごせました。

これまで歩んできた道も仕事も状況もみんな違うけれど、見ている方向は意外と同じだなと、妙な連帯感を感じたりもしました。

今の時代の仲での外大の存在意義と言語を学ぶ意味

50周年の方は、私の両親世代の方。
そして私達25周年、それぞれの代表者の話を聞き、学長が卒業後の外大の変化をダイジェストで話してくださり、この50年の変遷を知ることができました。

正直、今の外大はスゴイなと、私達の時からその制度あったらよかったのに、と思うことばかりでしたが、逆に昔だったからこそよかったこともあったはず。
色々なことに思いを巡らせるのもなかなか楽しかったです。

また、学長の視点から、生成AIが活躍する今の世の中での外国語を学ぶことの意義や外大が果たす役割的なことを聞けたのもとても良かったです。

ちょっといろいろな情報とまじってしまっているので正確ではないかもしれないけれど、ざっくりいうとこんな感じでしょうか。

生成AIが注目される今の世の中でこそ、しっかり外国語を勉強する必要がある。
生成AIは事実は伝えられるかもしれないけれど、言葉の置き換えに過ぎず、言葉の置き換えからはわからないニュアンスや相手の文化、歴史を理解をした上でのコミュニケーションが必要。AIにはこれはできず、人間だけができること。

大学で求められている外国語教育では、このレベルの教育。

昔と違って語学なんて勉強しなくても・・とか、翻訳なんてもう必要ないよね・・と言われることが多い中、語学のスペシャリストを育てる学校の学長からこういう話を聞けるのは、当然なことなのかもしれないけれどもなかなか良かったなと思います。


あとでわかったことですが、50歳すぎてから同窓会に入ると、入会金が1/3になるそうなので、あと2年したら入会しようかなと思ったりもしています・・。