*旧ブログ(アメブロ)からの転載・修正記事です。
前の記事からの続きです。
一度は離れようと思ったものの、結局は翻訳の世界に戻ることになりました。
かつては「翻訳を依頼し、扱う」側でしたが、今度は「翻訳する」側として。
今回は、社内翻訳者になってから、本格的に翻訳を専門にしようと思うようになるところまでについて書いてみたいと思います。
まずは前任者の翻訳のチェックから
入ってすぐの仕事は、いきなり翻訳ではなくて、「前任者の翻訳をチェックすること」でした。
これは、ある意味、とてもラッキーだったのだと思います。
会社の機器の用語や表現を把握するのにいいチャンスでしたし、チェック作業自体には慣れていたので、いきなり自信を失うようなこともありませんでした。
また、自分が今まで見てきた取説についての知識にも助けられることも多かったです。
そうするうちに、本格的にサービスマニュアルの翻訳が始まりました。
用語や機械周りの表現はだいぶ把握できていたので、悩むことはあっても困ることはありませんでした。
質問すれば機械を見せてくれたり、構造について説明してくれる技術者の方がいたことも大きかったと思います。
悩み始めるとあれこれ調べて時間がかかり、なかなか先に進まないこともありましたが、いろいろ調べて分かったことを実際の翻訳に生かしていけることが、とにかくとても面白く感じました。
とにかくまずは、どんな書類にでも対応できるようにすることを目指しました。
とにかく情報収集
年が明けてマニュアルの翻訳が終盤に入った頃になると、少し余裕が出てきたのか、他の翻訳者がどのように仕事をしているのかが気になるようになりました。
翻訳会社にいた頃、翻訳者が納品する翻訳は目にしていたものの、翻訳者がどんなことを考えて、どんな風にスキルアップを図っていたのかは、全く考えたことがありませんでした。
「専門家なのだから、それなりのレベルの翻訳を納品するのが当たり前」とさえ思っていました。
自分が翻訳を始めてみると、自分の知らない内容を訳すのは当たり前、英文の表現や文法事項など確認しなくてはいけないこと、調べなくてはいけないことが山のように出てきました。
また、いろいろ調べるうちに、個人翻訳者のブログを読む機会が増え、それがとても刺激になったり勉強になったり・・という機会が増えていきました。
翻訳のスキルアップだけではなくて、翻訳者としての心構えなどについても見直す必要があると思い、しばらく情報収集(ネットサーフィンともいう💦)に時間を費やすことになりました。
そして、その後今に至るまで、ベテランの翻訳者さんからは「知恵」と「翻訳者としての心構え」を、学習者の方からは、頑張っている姿から「やる気」と「参考になる情報」をいただいたりして、途中でめげることなくなんとかここまでやってくることができています。
初めての翻訳講座
同じ頃に、同時に、経験を頼りにした翻訳ではなくて、きちんとした翻訳、英語の基礎に基いた翻訳をしたいと思うようにもなりました。
そうしてDHCの翻訳講座「日英実務翻訳コース」を受けることにしました。
そのうち、英訳するのがどんどん楽しくなってきました。
取説が好き。
機械も好き。
英語も好き。
技術者の方の書いた意味不明な日本語を解読するのも楽しいし、機械のことを教えてもらうのも本当に楽しい。
ああでもない、こうでもない・・と考えて、自分の納得いく英文に仕上がった時の満足感がたまりません。
そんな日々を送っているうちに、漠然とですが、もっと「使える翻訳者になりたい」と思うようになったのです。