千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

プロフィール②(多言語編集者から翻訳者へ)

*旧ブログ(アメブロ)からの転載・修正記事です。

翻訳者として働き始めたのは2014年10月からですが、2014年9月末日までは、多言語取説部門でプロジェクトマネージャー(兼チェッカー & 翻訳手配者)、翻訳コーディネータとして働いていました。

翻訳を始めてから最初の数カ月は翻訳の仕事に慣れることでいっぱいいっぱいだたのですが、2016年にJATのセミナーに出たことをきっかけに(過去記事はこちら)、フリーランスの翻訳者になることを決意し、本格的に翻訳のスキルアップを図ることになります。

そんな時に、「いつかなりたい」だと、計画だけで終わってしまうから、具体的な期限を決めて行動するとよい」というアドバイスを、ある翻訳者の方からいただきました。

そのため、ある程度の期間で目標を立てながら翻訳のスキルアップを図っていくことにしました。

さて、自己紹介も兼ね、前回に引き続き自分のことについてもう少し書いてみたいと思います。

多言語編集者

  • 専攻:フランス語。
  • 大学卒業後、多言語を扱う翻訳会社に入社。
    多言語(英語→2~30言語へ展開)の取扱説明書を作る部署に配属される。
  • チェッカー、DTPオペレーター、(英文取説の)ライター、プロジェクトマネージャー、多言語のための翻訳手配など、取説作成に必要な一連の作業をすべて経験。(Tradosも初期のバージョンから使用。)
  • 出産を機に、7年の通勤生活が終了、その後は8年に渡り、在宅社員として働く。
    主に、チェック、Tradosを使った翻訳手配の作業、品質管理を担当。

多言語編集との別れ

チェックの作業も翻訳手配も大好きでしたし、取説の制作に関わる仕事は本当に楽しかったので、定年までずっとそのまま仕事を続けるものと思っていました。

でも、人生とはなかなか思い通りにはいかないものです。

社会人生活15年目にして、会社の経営悪化のため、私を含む在宅社員は一斉に解雇を申し渡されてしまいました。

思い入れのある会社だっただけに衝撃も大きく、もうこの世界とは関係のない仕事を探すつもりでいました。

一度は別の仕事を探そうと思った私が、なぜ翻訳者になったのか?

それはちょっとしたミスから始まる、偶然からでした。

ちょっとしたミスがきっかけで社内翻訳者へ 

これまでと同程度の収入が必要だったため、何かしらの仕事を探さなくてはいけませんでした。

少し職を探してみて、これまでの経験が生かせる仕事を正社員で探そうと思ったら、横浜か東京あたりまで出ないとなかなか難しいということがわかりました。

でも、我が家はあまり交通の便の良くないところにあり、横浜・東京まで出るには、片道1.5~2時間くらいかかってしまいます。 そんな状況でフルタイムで働くということは、子供たちの面倒を見ることができなくなるということに等しく、その時点で正社員勤務は、選択肢からはずれました。

そこで考えたのが、派遣社員。
正社員と比べると総収入は減るものの、フルタイムで働けるし、場所も選べるし、子育てとも両立できるのではないかと思いました。

さっそく登録しました、リクナビの派遣のサイトに。

この時点でも、「自分が翻訳者になる」なんていうことは、考えもしませんでした。 むしろ、事務等、これまで経験のない派遣業務を希望していました。

でも、それは、甘かったようです。
求められているのは即戦力で、経験のない人なんて、必要とされていないらしい。

結局、事務系は数社断られ、電話がかかってくるのは翻訳の仕事が大半。
条件が合わずに断ったところもありましたが、「翻訳会社にいたけれど、私自身が翻訳しているわけではなかったから」・・・という理由を添えて断ったところもあったほどです。

そして、ある日、リクナビの派遣サイトを閲覧しているときに、あるお仕事に、間違ってエントリーしてしまったのです。

慌てて電話をかけ、間違えた旨を伝え、エントリーの取り消しを依頼しました。

いわゆる大手の派遣会社ではなく、初めて聞く名前の派遣会社だったのですが、こんな間違いをしてしまったからにはこの派遣会社にお世話になることは今後ないだろうと思っていました。

ところが、数日後、この会社から電話がかかってきたのです。

「取説の英訳のお仕事があるのですが、やりませんか?」、と。

この時にも、「私自身が翻訳しているわけではなかったから・・」と、お伝えしたのですが、「それでも構わない。まずは面接(顔合わせ・・という名前の面接?)を受けてもらいたい」・・と。

私の状態もわかってくれてるみたいだし(?)、自宅からとても近い場所だったので、とりあえず行ってみようと面接を受けたところ、英語や各国語の取説の知識やTradosの経験があることに注目してくれたらしく、また、最初はあまり上手じゃない翻訳でも、少しずつ慣れていってくれればよいとの言葉をいただき、そのまま採用が決まってしまいました。 (後から分かったのですが、理系の派遣会社だったので、翻訳のスタッフで、しかもこんな辺鄙な場所を希望するスタッフがいなくて困っていたとか。)

翻訳なんて私にできるのだろうかと、正直なところかなり心配でした。 実際に仕事を始めるまでは・・・。

こうして私は、社内翻訳者になりました。