千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

思ったよりも時間がかかる作業

*旧ブログ(アメブロ)からの転載・修正記事です。

先週から今週にかけて、副業でやっているチェックの作業に苦しんでいました。
理由はいくつかあるのですが、そのうちの1つに、最近パワーポイントのチェックが増えてきていることが挙げられます。

パワーポイントの英訳チェックは、ワードのチェックよりもはるかに時間がかかります。

Wordの翻訳と同じ感覚で受けてしまうと、「いつまでたっても終わらない」状態になる割合がかなり高いです。

チェックですらこうなのですから、翻訳はなおのことですよね。

また、パワーポイントの場合は、日本語から英語になって文字量が変わることにより、レイアウトの調整も必要になります。

このレイアウト作業が曲者で、イラストと一緒にテキストボックスがグループ化されていたり、複雑な構造になっていると、苦労する場合もあります。

この会社が扱う翻訳では、翻訳者にはこのレイアウト調整も込みで翻訳の依頼がされているようののですが、上がってくる翻訳を見てみると、きっちりやってくれる翻訳者とそうではない人がいるようです。

チェックの場合、ある程度誰かが修正した上で回してもらえることの方が多いのですが、何度かレイアウト調整込みでチェックを受けたことがあります。(料金はほぼ翻訳チェックとかわらず)
これが思いの外大変で、想定していた倍以上の時間がかかりました。
時給にしたら、ほんの数百円という結果になるため、レイアウトの調整作業はもう込みで受けるのをやめようと思いました。(幸いその後は来ていませんが)

話はもどりますが、翻訳者。
ただ翻訳するだけではなく、余分な作業が発生してしまうパワーポイントの翻訳。
翻訳者の方は、通常と変わらない料金で受けてくれるものなのか。 もしそうだとしたら、不満はないのか。

ずっと疑問に思っていました。

私の今回のチェックの場合にはレイアウト調整の作業は必要ありませんでしたが、それでも通常以上に時間がかかることに、やや苛立ちを感じていたのですが、そう考えると翻訳者はどう思って作業しているものなのかが気になっていました。

そうしたら、なんとタイムリーなことに、このことについて記事を書いている翻訳者がいらっしゃいました。(ブログ名:「孤独なフリーランス翻訳者」)

そうですよね、何も思わないわけないですよね。

確かに、毅然とお断りするか、妥当な額を上乗せしてもらえるかできればよいのですが、断れば仕事が来なくなるかもという不安やその他の事情により受けてしまうことの方が多いのかもしれません。
依頼をする側も、受けてくれる人がいるなら頼むでしょうし、当然他の人にもそれを期待します。
そうしている間に、なんとなくそれが当然のことになっていくのでしょう。

文字を打つついでだから大した苦労もないだろう、と思って依頼しているのかもしれませんし、ベタ打ちのテキストをもらって後からレイアウト作業をするのは大変だから、一度に依頼してしまいたいと翻訳会社側は考えるのかもしれませんが、翻訳者がサービスで対応する範囲を超えている気がします。(もちろん、内容や分量にもよりますが)

ただ、自分だったら毅然と断る、または追加の額を請求できるだろうかと考えると、難しい気もします。