千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

『英語冠詞大講座』は素晴らしい本だった

*旧ブログ(アメブロ)からの転載・修正記事です。

『英語冠詞大講座』の前半を読み終わりました。
(後半の練習問題は、後日じっくり取り組むことにします。)

この本は、とにかく「素晴らしい」の一言に尽きます。

他の冠詞の本数冊しか読んだことがないのであまり比較ができないのですが、もしこれから冠詞の本を買おうと思っている方は、絶対にこの本を買うのが良いと思います。

基本的な冠詞の知識を整理できたのはもちろんですが、目から鱗が落ちた箇所が多々ありました。

細かく書くとものすごい長文になるので省略しますが、冠詞についてのすべての情報がこの1冊に詰まっているのではないかと思えるほどです。
冠詞に対する考え方、冠詞の使い分けが理路整然と分類、解説され、なぜa、the、無冠詞なのかが理論的に説明されていました。
「なんとなくそういうもの」として理由もわからず覚えていたものも、納得がいったというか、すっきりした気がします。

いくつか印象的だったものを挙げてみます。

■「ピアノを演奏する」は、play the pianoとtheがつくもの・・というのは中学校の英語で習って、「楽器を演奏する場合はtheをつけるもの」と思いこんでいましたが、「プロが演奏する場合はtheがつかず、play pianoとなる」そうです。
知りませんでした・・・。

■固有名詞については、話者にとってそれが馴染みの薄いものであればtheがつく、深いものであればtheがとれる。
固有名詞に対してネイティブでも冠詞の有無に揺れがあるのは、かつて認知度が低かった地名が時代を経るに従い固有名詞としての地位を確立し、theがつかなくなったからだとのこと。
固有名詞に対する親密度は個人個人異なるものだから、theをつけるかどうかに揺れがでるのか・・!
今はtheがついているものも、時代が経つにつれ認知度が上がり、theがつかなくなるものもあるのだろうと思うと、とても面白いと思いました。

固有名詞に関しては、地名や役職、交通、文化関連、病名等、かなり細かく分類されていて、原則と、例外が理由と共に挙げられており、本当に参考になりました。

■「冠詞の衝突」「動詞のアスペクト」という項目についての記述がとても興味深いものでした。
こんな見方をしたことはなかったし、「動詞のアスペクト」については、著者も「他の参考書には書かれていない」とおっしゃっています。

一度読んだだけではとても覚えられないけれど、冠詞について迷ったときはこの本に戻れば答えが見つけられる、そんな本だと思います。

目次の下に小さく記載があったのですが、本に載っている表を含め、冠詞に関するまとめの表がダウンロードできるようになっています。なんてすばらしいサービスでしょう!

本に記載のないものもありました。
この表も印刷して手元に置いていつでも見られるようにしておきたいと思います。