娘(中3)がもらってきた図書館だよりで紹介されていた詩がとても心に残りました。(涙が出てしまいました。)
詩などから受けるイメージや思いは人によってそれぞれですが、中学生に紹介する詩としてこの『なのだソング』を選んだ司書さんの気持ちがわかるような気がしました。
『なのだソング』 井上ひさし
雄々しくネコは生きるのだ
尾をふるのはもうやめなのだ失敗おそれてならぬのだ
尻尾を振ってはならぬのだ女々しくあってはならぬのだ
お目々を高く上げるのだ凛とネコは暮すのだ
リンと鳴る鈴は外すのだ獅子を手本に進むのだ
シッシと追われちゃならぬのだお恵みなんぞは受けぬのだ
腕組みをしてそっぽ向くのだサンマのひらきがなんなのだ
サンマばかりがマンマじゃないのだのだのだのだともそうなのだ
それは断然そうなのだ
雄々しくネコは生きるのだ
ひとりでネコは生きるのだ激しくネコは生きるのだ
堂々ネコは生きるのだきりりとネコは生きるのだ
なんとかかんとか生きるのだどうやらこうやら生きるのだ
しょうこりもなく生きるのだ出たとこ勝負で生きるのだ
ちゃっかりぬけぬけ生きるのだ破れかぶれで生きるのだ
いけしゃあしゃあと生きるのだめったやたらに生きるのだ
決して死んではならぬのだのだのだのだともそうなのだ
それは断然そうなのだ
「なのだソング」についてもっと知りたくてネットで検索したところ、10月末のNHKの番組でこの詩が紹介されたことがわかりました。司書さんもその番組を見て、心に響くものがあって図書館だよりでこの詩を紹介してくださったのかもしれません。
その番組で誰がどんな風に、どんな思いでこの詩を紹介したのか、聞いてみたかったなあと思いました。
私は詩や俳句を作るのは苦手です。
でも、文字で思いをのせられる俳句や詩を自分で作れたら楽しいだろうなと思うことはあります。
あまり読まないせいもありますが、詩を気に入ることは滅多にないのですが、時々なんと表現したらいいのかわからない、胸がチクチクするような、そんな作品に出会うことがあります。この『なのだソング』もそんな詩となりました。
この『なのだソング』は馬場のぼるさんの絵本が元になっている、ミュージカル「11ぴきのネコ」の中の1曲だそうです。
あらすじをみたらとても面白そうで、機会があったら一度見て見てみたいと思います。