千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

【読了】The Boy in the Striped Pyjamas

今回は、昨日読み終えた洋書のお話です。

A Place to Hang the Moon や The Devil's ArithmeticThe Last Bookshop in London など戦時中のことを描いた作品が購入履歴にあるせいか、この本がおすすめとして表示されました。早速なので読んでみることにしました。

Boy in the Striped Pyjamas, The

Boy in the Striped Pyjamas, The

Amazon


英文自体は割と簡単だったのですが、最初の方は修飾句が続くやたら長い文が多かったように思います。(iPhoneのKindleアプリで1文がページの2/3にわたっていたりなど)。
眠い目をこすりながらなんとなく読んでいると、なんのことだったのかわからなくなって文頭に戻って読み直したりもしました。

途中から全然気にならなくなったのは、前半は少年の「あれこれとにかく話したい」目線で意図的にそういう文体で書かれていたからなのか、それとも単に読み慣れたからなのか?
途中からは内容が気になって一気に読み進めてしまい、英語に意識を払わずに読んでしまったからなのかもしれません。
もう一度読み直して英語を確認すればよいのですが、辛くて読み返すのはイヤ、というのが本音です。

この作品は映画化されているそうですし、訳書が青少年読書感想文全国コンクール(高校生部門)の課題図書に指定されたこともあるそうです。小中学生くらいが対象かなと思って読み始めた本だったのですが、内容がかなり衝撃的なので高校生部門の課題図書になったのかもしれませんね。

あらすじや他の人のレビューは見ないようにして読み始めたのですが、あまりに衝撃的な内容だったので、読了後にレビューなど、あれこれ調べてしまいました・・・。

 



(ドイツ語と英語の違いがあるのはちょっと置いておいて)この場所のことをOut-Withと発音していたり(途中で本来の音がわかってヒヤリとした)、総統のことをFuryと言っていたり、「ハイル、ヒトラー」を挨拶だと思っていたとか、9歳でここまで何も知らないなんてことはあり得ないとか、そもそもの設定に対してのツッコミはかなりあるようです、それは書いている方もわかって敢えて書いているでしょうし、重要なのはそこではないはず。

主人公の少年がイライラするくらい純真無垢なおぼっちゃまで(無垢を通り越して無知の域?)、疑問に思ったことがあっても深く追求せずに、能天気に解釈してしまうこの子に苛立ちを感じたりもしました。(史実を知っている人には何を意味するのかが分かるだけに、それがまた辛い・・。)ただ、この子の無邪気さは、ユダヤ人に起きていた事態のあり得なさや異常さを際立たせる効果があり、結末の衝撃もその無邪気あってこそ。

直接的な描写は一切ないのに、背筋が凍る思いをしたり複雑な感情を抱かせられる作品でした。だからこそ、そもそもの設定があり得なかったとしてもベストセラーになっているのしょう。

とにかくなかなか衝撃的な作品でした。



さて、次は何を読みましょうかね。

2年くらい前まではほとんど洋書を読んだことがなかったので、洋書を読み始めた頃には、毎日少しずつしか読み進められませんでしたが、ストーリーに夢中になればそれなりのペースで読めるようになってきました。やはり、慣れですね。

ただ、小説ばかり読んでいると、ストーリーを追い求めるあまり、英語にあまり注意が行かなくなってきてしまうので、そろそろノンフィクションなども読んでいきたいところです。

小説はどうしても時制が過去形ばかりになるので(そうでもない?)、ノンフィクションを読むときには時制も意識しながら読んでいきたいと思います。

 

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
最後までお読みいただきありがとうございます。