千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

ChatGPT と最近予約した本

ChatGPTの登場には誰もが驚き、その破壊的な進歩に、ChatGPTを導入するべきか、それとも禁止べきか、公的機関などでは対応は様々でした。

せっかく世に出た技術なのだから、使えるものなら使ってみたいと思うのは当然のことで、もう、禁止すること自体に無理があるのではないかと思ったりもしています。

禁止するよりも、効率よく使うにはどのような使い方をすればよいのか、どういう使い方をしてはいけないのか、そちらを考えていく方がよさそうです。

学校でのChatGPTの使用

今息子が中3なので、ある高校の学校説明会に行ってきたのですが、その学校ではChatGPTを積極的に使って指導をしているとのことでした。

ChatGPTは、原理的には情報の量で決まるものなので、得られる回答の質にはかなり偏りがあるし、良いものも悪いものもある。また、質問の質が回答の質を左右するのだ、と。
ChatGPTを使いこなしていくためには、回答の良し悪しを適切に判断し、確かな情報を見極めていく力を育てていく必要がある・・・といったようなお話だったと思います。

そういう観点から指導をしてくれる学校に対して頼もしさも感じましたし、同時に、まだ中学生や高校生のうちから、こういうツールに当然のように触れられる子供たちをうらやましくも思いました。また、新しい技術との出会い方や付き合い方によっては、その後の人生が大きく変わりそうだなとも思いました。

さて、娘(高3)の高校ではどうなのかと、帰宅してからきいてみました。
みんな普通に使っているとか。先生が使うよう指導を受けている科目もあるそうです。(感想文を書かせたりなどという、そんなくだらない使い方は論外・・・だとか。)

私の場合

私ももちろん使っているのですが、まだ有効活用している、とまではいきません。
最近、翻訳者の中でも、こうやって使っている・・的なものを発信しているのを見かけるようになり、とても参考になっています。

今いる会社ではChatGPTは禁止されていないので、翻訳するときに冠詞の有無や表現の違いなどについてChatGPTに意見を求めたりもしているのですが、いつも似たような使い方しかできていなくて、もっとうまく使えないかなと思っています。

そしてなんと、最近、ChatGPTの力を借りて英文を書いた人に出会ってしまいました。
中途半端に英語ができる人が書いたものよりも大分いいもので(もちろん修正はある)、ChatGPTを使ったと後から聞いて、かなり驚きました。
専門性の高い内容で仕様も絡むものなので、情報漏洩には気をつけつつ作成したそうですが、一体彼がどうやってChatGPTを使ったのか、イマイチよくわかりませんでした。それこそ、質問の質が良かったのか?

「ChatGPT翻訳術 新AI時代の超英語スキルブック」を予約

私にとって、「英語の翻訳は自分の手で行う」ものなので、今後もChatGPTに翻訳をやってもらって楽をしようとかいった気はまったくないのですが、でも、それが可能だとしたら、どうやって効率よく精度の高いものを仕上げるんだろう?もしそうやって生成された文が世に出回るようになったら、人間の書いた文と区別がつくものなのか?

また、翻訳者はもちろんのこと、他の業界や業種の方々がどのようにChatGPTを使っているのか、どのように利用したら効率よく欲しい情報が手に入れられるのかがとても気になります。

そんなとときに、この本が来週発売されると知り、すぐに予約しました。

 


翻訳祭にも登壇される山田優さんの新刊です。

目次を見ただけでも面白そうです。

特に「Chapter 4 実践で学ぶChatGPT翻訳術」が気になります。
実際にプレゼンの原稿を翻訳するようですが、どうやって翻訳させるのか?どのくらいのレベルのものが出来上がるのか?

こうやって英語を自分で書ける人が増えていく中で翻訳者がいらないと言われるようになってしまうとしたら(もちろんそんなこと簡単に考えてほしくないけれど)、自分は今後どういう翻訳をするべきなのか、どこを磨いてどう差別化していくべきなのか、何か見えてくるものがあるかな、という期待と共に、来週の発売を楽しみに待っています。

思い付くままにつらつら書いたので、なんだかまとまりのない文章になってしまいましたが、今回のこの本は、とてもよいタイミングで発売される本だったので、今回紹介させていただきました。