千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

17年ぶりの新作『鵺の碑』を予約

京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズの新作『鵺の碑』が、9/14に発売になります。

前作『邪魅の雫』から17年、ようやく新作が出ます。
木曜日待ち遠しくてたまりません。発売日には会社を休んでずっと読んでいたいくらいですが、なかなかそんなわけにはいかないのが残念なところ。

 

『ダ・ヴィンチ』の10月号では、京極夏彦さんの特集が組まれています。
いろいろな角度から京極夏彦さんやその作品について書かれています。ネタバレはなしだったので、新作を読むのを楽しみにしている方でも安心して読めると思います。
ファンでなくても楽しめる、ファンであればなおさら楽しめる内容になっているので、おすすめです。

 

検索すればいろいろな情報が見つかるので、京極夏彦さんやその作品についてはここでは書きませんが、「ダ・ヴィンチ」を読んでいたらいろいろと懐かしく思い出したことがあったので、今回はそのことについて書いてみようと思います。

本と音楽と思い出を、セットで記憶

「ダ・ヴィンチ」の京極夏彦さんとの対談で、又吉直樹さんがこんなことを言っていました。

読んだ作品と、それを楽しんでいたころの自分が紐づいていることが多い

わかるわかる!
本好きの人は(好きじゃなくても?)、きっとそうですよね。
ただ、この感覚、最近ではすっかりなくなってしまったような気がするんですよね。

まだ電子書籍がなかった時代には、どっかり腰を据えて音楽を聴きながら紙の本をじっくりと読んでいたので、その時よく聞いていた音楽と当時の自分の記憶がセットになって記憶に残っています。

小学生の頃に昔に読んだ『少年ケニヤ』(山川惣治)は、光GENJIの「TOUCH ME」とか、『氷点』、『塩狩峠』(三浦綾子)は倉木麻衣の「Standby my side」、「Secret of my heart」とか。

私は読書記録は残していないので、どの本をいつ読んだかすぐにはわからないのですが、曲や当時の自分のことなど、紐づいている記憶のおかげで、記憶をさかのぼればいつ頃読んだのかを判断できて、面白かったりします。

ここ最近では、仕事関係の本以外は電子書籍で購入するのが恒例となり、スキマ時間で少しずつ読むことが多くなってしまったせいか、記憶と言えば、病院の待合室や料理、トイレといった断片的な記憶しか残っていなくて・・・。少しも面白くないですね。

私は就職してから忙しくなりすぎて読書量が激減したり、電子書籍に移行してしまったので、本と記憶がしっかり結びついているのは、多分京極夏彦さんの本が最後なのではないかと思っています。

第1作『姑獲鳥の夏』の記憶

この本を最後まで読んだのは、就職直前の卒業旅行のときのことでした。

行先は、中国。友人と二人で、1ヶ月かけて北京⇒西安⇒上海へと南下していきました。ホテルは最初の1週間だけ取って、後は現地手配だったというのも、なつかしい思い出です。

話がそれましたが・・・
お互い本好きということもあり、本を5冊ずつもっていくことに。
その中の1冊が、京極夏彦さんの第1作目の『姑獲鳥の夏』でした。(残りの4冊の記憶は全くありません)

それより前に、別の友人に勧められて読み始めていたものの、50ページくらいで力尽きて中断。京極堂(このシリーズの主要人物の1人)のウンチク(?!)が長すぎて、眠くなってしまって。
旅行中にリベンジを誓ったところ、最初のヤマを乗り越え後は、見事にハマりました、どっぷりと。
その後既刊本を一気に大人買いし、分厚くて重い本を毎日持ち歩いて通勤電車で読んだのでした。

鈍器本

分厚い、超重量級の本を「鈍器本」と呼んだりもするのだそうですが、京極夏彦さんの本はどれも分厚くて、重い。
その「鈍器本」を日々持ち歩いていたわけですが、あの時に電子書籍があったらどれだけ楽だったのだろうかと、思わずにはいられません。

そうそう、今回の「ダ・ビンチ」で面白かったのが、「『百鬼夜行』シリーズ全作ガイド」。シリーズの歩みに加え、各作品(文庫本)の、厚み重さが書かれています。
過去に紙の本を買った人は、これの特集を見れば、「そうそう、重かった!」と思うはず。

ハンドルネームの由来

ブログやSNSをやっている方はハンドルネームをお持ちだと思うのですが、みなさん、このハンドルネームを考えるのって、迷いませんでしたか?

私はものすごく悩みました。
というか、まったく思いつきませんでした。ネーミングのセンスがないので、この先屋号や会社名、お店の名前を考えるようなことがあったとしても、なかなか素敵な名前は思いつかないだろうなと思っています💦

私がブログを始めたのは、あるセミナーに出たのがきっかけなのですが、とにかくすぐにでも書きたかったので、適当に決めてしまいました。

その時参考にした(?)のが、実は京極夏彦さんの小説でした。。いえ、わざわざ小説を引っ張り出してきたわけではなくて、単にその時ちょうど、『百鬼夜行シリーズ』の電子書籍を買って、1冊目から通しで読んでいるときだったのです、たまたま。
このシリーズの主要人物が古本屋の主人で、店の名前とおなじ「京極堂」と呼ばれているのですが、私も「いいや、とりあえず「堂」でも付けとけ!・・・」と。

そういうわけで「未来堂」になったわけですが、もっと違う名前にしておけばよかったと後悔しても、時すでに遅し・・・。


このシリーズの登場人物は、どの人もなかなか魅力的というか、味のある人ばかりです。
ちなみに、私が大好きな登場人物は、「榎木津礼二郎」。どの作品を読むときにも登場を楽しみにしています。今回はどんな活躍をしてくれるんだろう。

身近なところに京極ファンがいないので、今回新刊が出るという嬉しさを共有できないのがとても残念です。

来週は一人で興奮しながら、夜更かして読むことにしましょう。