千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

おすすめの将棋マンガ『将棋の渡辺くん』

本続きで、もう1つ、最近一気読みしたマンガがとても面白かったので、少し紹介させていただきます。

それは、こちら、「将棋の渡辺くん」。

タイトルそのままに、将棋棋士の渡辺明さんが主人公のマンガです。
(描いている方は、渡辺さんの奥様)

「将棋あるある」的な話しはもちろんですが、多趣味だったり、マンガやぬいぐるみが大好きだったりという、渡辺さんの意外な素顔が盛りだくさんな上に、渡辺さんの将棋に対する姿勢や考え方なども描かれていて、なかなか興味深いマンガです。

今年の冬くらいに7巻が発売されるようなので、発売を今から楽しみにしています。

私は「観る将」

AbemaTVのAI分析をきっかけに、中継を見るようになりました。

翻訳業界ではAIが導入されて大騒ぎになっているのに、将棋業界では話題にはなっても、「棋士の仕事がAIに奪われる」とか、「単価(?!)を下げよう」なんてことには決してならず、むしろ「人間すげえ」という評価。「この差は何なんだろう」・・と思って見始めたのですが、ちょうど藤井くんが棋聖に挑戦するタイミングだったこともあり、すっかり楽しくなってしまいました。

何万通りの中から最適な手をはじき出すAIもすごいですが、その最適な手を間違えずに繰り出していく棋士の頭はいったいどうなっているのか。
ときにはAIですら考えつかないような手を放ち、終盤にくりひろげられる激しい攻防戦がなんとも言えず面白く、さらには間に入る駆け引きだったり、途中のごはんやおやつだったり、中継中の解説だったりと、面白い要素がいろいろあって、すっかり夢中になってしまいました。

渡辺さんのファンになる

藤井くんの棋聖初挑戦のお相手が渡辺さんでした。
以降たびたび渡辺さんと対局することになるのですが、失礼ながら見かけが少し神経質そうで怖そうな印象があったのですが、しぐさが思いのほかかわいかったり、すごく素直で誠実な人柄がにじみでているような対局後のコメントや感想戦を見て、「なんかよくわからないけど、とってもいい人そう」というイメージが私の中では定着しました。

先日の永瀬さんと藤井くんの王座戦第一局のときに、ようやく渡辺さんの解説を聞くことができたのですが、とてもわかりやすく、そしてかなり面白かったです。
「将棋の渡辺くん」の中でも「渡辺さんが解説のときにこころがけていること」についてが書かれているのですが、なるほど!・・でした。

すっかり渡辺さんのファンになってしまいました。

見どころ

もう最初に書いてしまいましたが、「将棋あるある」や渡辺さんの素顔が面白いのですが、それ以外にも「人生のほとんどをマンガから学んだ」とか、「才能と努力」に対する考え(才能7割努力3割だそう)、「負けた時にどうするか」、「藤井くんの将棋をどう思うか」、「今後の自分の将棋との向き合い方」・・といったわりと深いところも描かれています。

将棋が好きじゃなくても、この本を読は相当面白いと思います。
というか将棋、真面目にやってみようかな。わかったらもっと面白く見れそう。

藤井くんと渡辺さんに注目するようになるまでは、棋士といえば羽生さんやひふみん、株主優待で有名な桐谷さんくらいしか知りませんでしたし、「棋士=内向的で変わった人」的なイメージしかありませんでした。

渡辺さんはすごく外向的だしファンが多い印象。
そして、若手棋士もTwitterで発信したり、将棋界もずいぶんいろいろと変わってきていそうな感じです。(追っかけ始めたらハマりそうなので、控えていますが・・。)

何とも締まらない感じになりましたが、今日はこの辺で。
ぜひ機会があれば読んでみてください。