千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

第32回JTF翻訳祭2023④ プログラム視聴メモ:これからの翻訳業界での働き方を考えよう第4弾

オンラインプログラムのアーカイブ配信は、16日から開始なのですね。
実施翌日から公開されるものと勘違いしていました💦

今週は、ひとまず10/27会場開催分のアーカイブをしっかり見れるようにしたいと思います。(残念ながら、リアルタイムで視聴はできなそう。)

一番最初にアーカイブ視聴したプログラムは、テリーさんの『翻訳チェックを復習しよう』だったのですが、こちらの感想はまだ書けていないので、別のプログラムのメモからアップしておこうと思います。

これからの翻訳業界での働き方を考えよう第4弾

2020年のJTF翻訳祭29.5(JTF Online Weeks )に始まったプログラムで、2021年、2022年に続き、今年で4回目になります。
毎年恒例となったこのプログラムでは、翻訳に関する様々な情報を、アンケートの集計に基づいてリアルに伝えてくれます。

2020年、2021年の最初の2回では、翻訳会社に焦点をあててコロナ禍で翻訳会社がどのように対応してきたかを伝えてくれました。昨年からは翻訳者に対してもアンケートを実施し、翻訳者を取り巻く環境がどのように変化しているか、ということについても伝えてくれるようになりました。翻訳会社と翻訳者という両サイドからの情報は、今後の自分の働き方や戦略を考える上でとても役立つものになりそうです。

毎年登壇される、株式会社ホンヤク社の成田さん、株式会社インターブックスの古賀さんのお2人に加え、今年はフリーランス翻訳者の中野真紀さんも登壇されました。
今回、実務を担当する翻訳者がこのプログラムに参加したのは、大成功だったのではないかと思います。中野さんの発言はとても素晴しかったので、来年以降もぜひ登壇いただきたいと思いました。

アンケートはとても有用なものではありますが、見方や解釈によっては、同じ結果でも受ける印象が違うものになってしまう可能性があります。翻訳会社の立場からだけで解釈すると、どうしても翻訳会社に都合のよい結果になってしまいます。(そもそも、都合の良い回答をする会社しかアンケートに答えていない、という恐れも。)
実際、アンケートの母数がとても少なかったり、同じ質問に対しても、翻訳会社側の回答と翻訳者の回答との間にギャップがあったりすることが、アンケート結果に示されていました。

見方や状況によって解釈や回答が示すものが変わってくるということや、翻訳者としてだれもが主張してほしいと思っていること、そして、翻訳者サイドからするともやもやする、かゆいところに手が届かない的なところにまで中野さんは切り込んで発言してくださったので、視聴後には爽快感&満足感が残りました。

こういった様々な情報を得られることで、翻訳者は翻訳会社に寄り添った仕事ができるように努力するようになるし、翻訳会社側も翻訳者の状況をわかってくれれば、お互いさらに良い環境で仕事ができるようになるはず・・ですよね。

コロナもだいぶ落ち着き、コロナ前の生活が戻りつつありますが、元通りには戻りません。また機械翻訳やAI翻訳の進化もあり、今後ますます翻訳を取り巻く環境が変化していくと思いますが、今回のプログラムを踏まえて来年までの戦略をじっくり練ってみようと思います。

来年に向けてどんな変化がみられるのか、来年どのような思いで第5弾のプログラムを聞くのかが楽しみです。