千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

最近の和訳チェックから考えた事

*旧ブログ(アメブロ)からの転載・修正記事です。

副業でチェックの仕事をしていると以前書きましたが、今回はそのお話を、少し。 (・・といいつつ、イマイチまとまりがなく、かなり長いです。)

ここ数週間で和訳のチェックがいくつか続きました。
それぞれ違う翻訳者による翻訳なのですが、残念なことに、どれも良い訳とは言えず、「チェック」の作業ではとても終わらず、ほぼリライト状態になってしまいました。

何が原因って、英語を文法通りに正しく解釈していないから。

意訳しているとか、わかりやすいようにかみくだいて訳しているから・・・と言われても、とても納得できる状態ではなく、明らかに文法の解釈間違いが多くて、フィーリングで訳しているとしか思えない。
何がどこにかかっているのか、何の説明になっているのか等、根本的なあたりがおかしい。(個人的な好みでの修正や、無駄な修正は入れないチェックを前職でたたき込まれてきたので、クレームがつくような修正はほとんど入れていない自信があります。)

日本語だけ読むと、一見良さそうな、美しい日本語になっているのですが、結局のところ何を言っているのか意味が分からなかったり、英文の意図とはちょっと違う訳になっていたりするのです。(それなら自分はその和訳を完璧にできるのか、と聞かれたら、まだプロのレベルでできる身分ではないので、偉そうなことを言ってるだけなのかもしれませんが。)

こういう良くない状態の翻訳が、プロの翻訳として納品されていることがとても不思議です。
それなら、多少日本語は美しくなくても、正しい訳をしている方がいい・・とも思ったりしたこともあったけれど、実際に大学生の直訳超の和訳が回ってきたこともあったりして、それはそれで問題だと思いました。

少し話が変わりますが、最近よくみかけるクラウドサービスでは、ものすごい低料金で翻訳提供しているサービスがありますよね。 中には、驚いてしまう訳も見かけたりします。(納品された訳がたまたまネット検索で引っかかり、目についてしまう)

さらに、最近、こんな記事を目にしました。
http://crowdworks.jp/public/jobs/category/39/articles/851

*2019.9.21補足:
リンクが切れてしまったため、内容が確認できなくなっていますが、書いた本人もどんな記事だったか覚えていません💦
おそらく、翻訳なんて簡単さ、くらいな軽い気持ちで翻訳をやっている方の記事だったのではないかと思います。

本当に驚きました。
もしかしてこういうノリで翻訳をやっている方も、相当数いるのでしょうか。

きちんとした翻訳会社に登録された翻訳者がそういう人であるはずはないのですが、今回あまりにおかしな和訳ばかり続いたので、驚いてしまいました。

クラウドワークスといえば・・・
この手の翻訳には、今のところ手を出すことは考えていません。 あまりに料金設定が低すぎるため。
これがスタンダードになってしまったら、世の中のすべての翻訳料金がさらに下がっていきそうです。 (すでにそうなりつつある?)料金が下がることに荷担するようで、手を出したくありません。

翻訳をやるなら、それなり(?)の翻訳会社に登録して、納得のいく額と納得のいく内容で作業をしたいと思っています。

そして、 作業に対するコスト意識について。

そもそも、私がリライトする・・ということは、やってはいけないことだと思うのです。
私が受けた仕事は「チェック」であり、「正しいはずの翻訳の中から、あってはいけない間違いを探すこと」であり、「翻訳者の翻訳をよくすること」ではないはず。
これまで、かなり時間がオーバーしてしまっても、多少はリライトしたりしていたのですが(リライトしてくださいという指示を得た上でですが)、いくら翻訳がおかしいからといって、リライトを始めてしまったら、チェックなら2時間で終わるところだったとしても、リライトだとその何倍もの時間がかかってしまう。それだからといって、その分のお金がもらえるわけではないのであれば、なおさらのこと。

今後プロとして働くのなら、ある程度のコスト意識を持たなくてはいけないと思うし、料金に見合わない作業は、割り切って控えるか、さらに割り切って、時間でできるだけのことしかしないとしたい。(でも、だからと言って、仕上がりのレベルを落とすのであれば意味がないので、そうなるくらいなら受けないほうがよい。コストを下げた翻訳を容認することになると思う。)

本来は、リライトをしなくてはいけなくなった時点で連絡して、一度差し戻して、リライトするならリライトとして、それに見合った内容で改めて発注をしてもらうべきだと思うので(さらに上の会社から)、今後は徹底したいと思います。

ただ、問題は、私の作業時間が夜だということ。
夜作業をしていて、こういう状況に気づいても、私に仕事を出してくれている担当者も、その担当者に仕事をだしている翻訳会社も、すでに夢の中。
結局やらざるを得ない状態で、予定の4倍の時間がかかってしまったりすることはざらで、そして、寝不足状態に陥ってしまう。

そもそもこの副業、いろいろな英文を読む機会があるから、勉強をしがてら教材にかかるお金くらい稼げたら・・と思って始めたのですが、最近になって、英語の勉強をするという意味では、いまいち効率がよくない気がしてきています。
他にいろいろメリットがあったり目論見(?)もあるので、今後辞めることは今のところ考えていないけれども、この作業で帰宅後の時間のほぼすべてを使ってしまうのは厳しいと感じています。

それよりは、アメリアのトライアルに応募したり、もっと別のことに使う時間を確保する方がいいのかな・・とも思ったりしています。

今は、自由になる時間が、夜9時半から寝るまでの数時間だけなので、その時間をいかに有効に使うかが、かなり重要です。

いろいろ書きたいことはあるのですが、今夜はこの辺で。