千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

シリコン【Silicon】とシリコーン【Silicone】

*旧ブログ(アメブロ)からの転載・修正記事です。

シリコンとシリコーン。

両者に違いがあることを、つい最近知りました。

以下、シリコーン工業会のHPからの抜粋です。

■シリコン 【Silicon】
シリコンは、ケイ素のことです。岩石や土壌の主成分として自然界に存在し、地球上で酸素に次いで多く存在します。通常、酸素との化合物、二酸化ケイ素(シリカ)の形で存在します。シリカは砂の主成分で、石英(水晶)はシリカでできています。ケイ素はケイ素樹脂の原料となっています。半導体材料に使われるシリコンは、原料の珪石を還元、精留させて、ケイ素の純度を高めたもので、暗灰色をした金属です。

■シリコーン 【Silicone】
シリコーンは、ケイ素樹脂のことです。ケイ素を含む有機化合物の総称で、天然には存在しません。シリコーンは、油状、ゴム状、樹脂状などの物理的形状のものがあり、潤滑油、接着剤、シーラント、コーティング材などさまざまな用途に使われています。シリコーンは、混合物あるいは単体の形で製品として利用されています。シリコーンやその混合物はそれぞれ独自の特質や用途、メリットを持っています。シリコーンの安全性については、長年にわたって詳細な研究が行われています。

この定義によれば、コーティング等に使われているいわゆる「シリコン」はSiliconeで、Siliconではありません。

思い込みというのは恐ろしいもので、シリコン=siliconだと思い込んでいました。

今の会社に入ってすぐに担当した翻訳で「シリコンパッキン」という用語が出てきたのですが、何の疑問もなくsilicon packingとしてしまっていたことに、今更ながら気づきました。silicone packingとしなくてはいけなかったのに。

なぜそれに気づいたかというと、最近の翻訳の中に「ケイ素」という言葉が出てきたからです。
半導体シリコンウェハーに使われるだのなんだの・・という内容の文章を翻訳する際に、「え?シリコンが半導体に使われる??」とまず疑問に思い、つぎにケイ素を辞書で調べたところ、Siliconと出てきて、「え?シリコンと一緒?シリコンとどう違うの??」と、よくわからなくなっていろいろ調べて発覚したのでした。

日本語でも「シリコン」と「シリコーン」で書き分けがされていることも、全く知りませんでした。(厳密なものではないようですが) (私が最初に翻訳した問題の「シリコンパッキン」は正しくは「シリコーンパッキン」とするべきか?)

知っていると思い込んでいることでも実は知らないことや間違って覚えていることもあるので、その都度よく調べることがで大切だなあ、と改めて思ったのでした。