アーカイブ視聴が始まってから真っ先に視聴しました。(メモのアップは遅くなりましたが💦)
2016年翻訳祭でのテリーさんのプログラムについて、強烈な記憶が残っています。
とにかく人、人、人・・・。座り見、立ち見の人が出たほどで、翻訳チェックに対する関心の高さがうかがわれました。
テリーさんは、翻訳会社と翻訳者との両方からチェックを見ていらして、翻訳チェックに製造管理での品質保証(5M)の考え方を導入することにより、翻訳者自身が自分の翻訳の品質を保証することができるのではないか・・・という考えがプログラムのテーマになっていました。
当時、私はまだ翻訳会社をやめて2年しかたってなかったので、ある意味当たり前の作業だった「翻訳チェック」が一体どんなふうに語られるんだろう・・・と思ってプログラムを拝聴したのですが、チェックの工程はともかく、翻訳者としてのチェックに対する認識の甘さを実感させられ、かなり衝撃を受けたことを覚えています。
そして、2023年翻訳祭。7年ぶりに翻訳チェックのプログラムが復活。
そのタイトルも「翻訳チェックを復習しよう。」・・・となれば、絶対聴かねばなりません。
この7年間で業界全体はだいぶ大きく変化したものの、必要とされるチェックは基本部分は変わらないはず。復習も兼ねて、チェックについての意識をアップデートしたいと思いました。
私は翻訳チェックの作業が大好きで、本業の翻訳の傍ら、いまだに細々とチェック業務を続けています。翻訳も好きだし楽しいけれど、人の翻訳チェックが好きすぎて、なかなかこの仕事を辞めることができないでいます・・・。
これまでずっと続けてきた人様の翻訳チェック、そして、自分の翻訳に対する翻訳チェック、チェッカーと翻訳者の立場だとチェックのやり方や注意するところは少しずつ違ったものにはなると思いますが、ひとまずこの両方を頭に置きつつ、今年のプログラムを拝聴したのでした。
プログラム視聴後、久しぶりに、7年前の資料を出してみました。
表紙をめくると、中には手書きのメモがびっしり。
覚えてなかったこともありましたが、あのとき衝撃を受けた言葉はしっかり覚えていましたし、メモにも残っていました。そして、今回のプログラムでもしっかり語られていました。
- ミスをするのは翻訳者として欠陥品
- 翻訳者は職人
- 初めからミスをしない、そのための自己鍛錬をもりこむ
今回のプログラムは、前回のプログラムをベースに、さらにご自身の経験から気づいたことなどが盛り込まれて補強が加わったグレードアップ版、内容がぎっしり詰まったプログラムになっていました。
今回配付された「品質保証マトリックス」を前回配られたマトリックスと比較して、変更箇所をマークしてみました。
ざっと見た感じ、加筆されていたのは、この辺りでしょうか。
- 各カテゴリーを5Mごとに分類
- 仕事を受ける時点での翻訳材料への理解、情報収集にかかわること
- 情報収集やツールについて
- 翻訳ミスを防ぐための防止策(作業環境含む)
そして、追加が一番集中していたのは「知識と能力」に関するところで、翻訳者としてあるべき姿が書かれ、日々の勉強や鍛錬にまで触れられていたのが印象的でした。
翻訳者は、ただ翻訳をするだけだと思われがちですが、このマトリックスを見ると、翻訳者はいったいどれだけの努力をし、どれだけの注意を払い、どれだけの鍛錬を積みながら良い翻訳を生み出しているのだろうかと思ってしまいます。
翻訳を受け取る側には、翻訳者のこの見えない沢山の積み重ねがあって良い翻訳が上がってくるのだと、是非わかってほしいなと思いました。
そして、前回にはなかった、「James Reason モデルの分類による翻訳問題分析」。
じっくりと読ませていただきました。これにもいろいろ考えさせられます。
うーん。
冷静に考えてみると、「品質保証マトリックス」にしても、「翻訳問題分析」にしても、リストアップされているものは、当たり前のものばかりなんですよね。
とはいっても、当たり前にできていないからこそミスが起きるわけなので、1つずつ自分ができることを進めてミスが起こらないように自分なりに工程に組み込んでいくしかないなと思います。
この「品質保証マトリックス」と「翻訳問題分析」はいつでも見られるように手元において、時々振り返って自分を見つめ直そうと思いました。
体調を崩してしまい、ようやく復活。
まだアーカイブ動画が半分も見れていません💦
残りの時間でしっかり視聴していこうと思います。