千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

アンスクエアトークイベント「翻訳者の基礎教養」に参加しました。

1/23(土)の夜は、駒宮先生主催の「アンスクエア」第2回トークイベントでした。

今回のテーマは、「翻訳者の基礎教養」。

「教養」と言われるとすごく格調の高いセミナーのような雰囲気がして一瞬ドキリとしたのですが、お酒を飲みつつ視聴できる、気軽に参加できそうな内容とのことなので、コーヒーとお菓子を準備して、かなりくつろいだ気分で参加させていただきました。

今回はなんと、90名を超える方が参加されたそうです。

翻訳者にとっての教養とは?

まず最初に、今日のテーマの「翻訳者にとっての教養とは?」について話してくださいました。

なぜ教養は必要なのか?
一体どんな教養が必要なのか?
翻訳者にとって、たくさんの知識があると何がいいのか?

いろいろな例を挙げつつ、文体などとも絡めてお話くださったのですが、とても分かりやすく、リラックスしているせいもあったのか、スッとしみこんでくるような感じでした。。

穏やかで優しい話し方をされるので、なおさら耳に入ってきやすかったのかもしれません。話す内容も重要ですが、話し方や声も重要だなと思いました。

駒宮先生の口から出る「翻訳者として花開く」、「他者にことばを届ける」などといったことばがとても綺麗で、思わずうっとりしてしまいました。お酒は飲んでいなかったのですが・・。
日頃から使うことばのひとつひとつに心を配っているとこうなれるのでしょうか?

後半で披露してくださったおすすめの本については、自分の守備分野とはかなり違うものでしたが、とても面白かったです。

翻訳者を目指すというと、英語の習得や翻訳のスキルアップに目が行きがちですが(基本だから当然のことですが)、普段自分がどれだけ広くいろいろなことに目を向けているかといったことも翻訳に生きてくるのだとすれば、もっともと広い視野でいろいろなものを見ていきたいなと思いました。

尽きないお話

おすすめの本をたくさん紹介してくださったのですが、どの話も面白く、何よりも話されている駒宮先生ご自身がとても楽しそうで、そんな姿を見ているだけでも楽しかったです。イベントが終わってしまうのがとても残念なくらいでした。

きっとあと数時間続いたとしてもお話が尽きることはなかったと思いますし、聴く側としてもずっと聴いていられたと思います。もっともっと聞きたかったです。

去年の夏の通訳翻訳フォーラムの「翻訳者のなり方・続け方」の中で、「オタクは強い。1時間語れるものがあれば、それを人に言って歩くと良い」といったお話を思い出しました。

こんな風に何時間も、しかも聞き手が楽しめるように語れる何かを持てるようにしたいものです。 



この日は午前中はWildLightのセミナー、夜はアンスクエアのトークイベントで、とても充実した1日でした。

今回のセミナーについては、Twitterのハッシュタグ「#アンスクエア」から、ほかの参加者の方の感想が見られます。

第3回目のイベントはどんな内容になるんだろう?と、今からとても楽しみです。

 

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WildLightの初級オンラインセミナーに参加しました。

少し前に「WildLightを改めて使ってみた」ということと、そして、「MildLiteがすごい!」ということについて書きました。

senri-miraido.hatenablog.com

WildLightについては過去に初級セミナーが開催されていたものの、ここしばらくは開催されていなかったため、次の開催を首を長くして待っていました。

そして、とうとう初級セミナーがオンラインで開催されることに!
本当に嬉しくて、待ってましたとばかりに申し込みました。

WildLightは以前一度使ってみたことがあったし、年末にダウンロードして一通りは触ってあったのですが、とにかく一から学ぶつもりで、しっかりと初級セミナーから参加させていただくことにしました。

オンラインだけど、まさに手取り足取り

これまでのセミナーではPC持ち込みで少人数での開催だったようですが、今回は初のオンラインセミナーでした。
40人以上の方が参加されたようです。

オンラインですから実際にはすぐそばにTerryさんがいらっしゃるわけではなかったのですが、画面上で間近にお顔を拝見できたし、質問はいつでもチャットから送ることができたし、何よりも、自分が仕事で使用する、慣れたPCで参加することができたのはとても良かったと思います。

私は先週PCを新しくしたばかりだったので、自分用のカスタマイズをすませ、WildLightもばっちりダウンロード&インストールしてありました。
前のPCではWordが少し遅かったのですが、新しいPCではサクサク動いて快適でした。

セミナーは本当に基本的なところから始まりました。

  • ツール作成の背景・コンセプト
  • インストールの手順説明
  • 基本機能3つをデモを交えながら紹介
  • 辞書の作り方
  • ツールのメニューを大まかに確認
  • 翻訳チェックへの応用
  • 質疑応答

・・・という流れで、まさに手取り足取りで、大満足のセミナーでした。

オンラインだからといって、困ったことは一つもありませんでした。

全然わかっていなかった基本機能

これまではWildLightは表組作成しか使ったことがなく、年末からはほんの少しだけレベルアップして、最近既存の辞書を使った数チェックや翻訳量カウントのためのマーカー部(色文字部)抜き出し機能も使っていました。

そんな一部の機能を使っただけでWildLightをだいぶ使えるようになった気になっていたのですが、とんでもなかった、基本機能さえちゃんとわかっていなかったことが、今回よくわかりました💦

Terryさんが「WildLightの基本機能は3つ」とツイートされているのを、わかったような気になってさらりと流していたのですが、ちっともわかっていませんでした。

ちなみに、基本機能3つとはこれ。

  • 蛍光ペン付け

  • 置換+蛍光ペン付け

  • コメント付け

話を聞きながら自分でもやってみて、ビックリ!
わぁぁ、全然わかってなかった💦
コメントもつけられたのか!!!

これ、ほんとに便利ですね。
これまでは単語やフレーズごとに置換&マークを繰り返し、コメント付けは別に、単語やフレーズごとに複数回に渡って追加していました。

辞書さえ作ってしまえば一発だったじゃないか!
今までかけていた時間がとてももったいなく感じました。

他にも、メニューのスペルチェック機能はスペルチェックのリセット機能がついたスペルチェックなこと(これまでいちいち設定画面開いてやってた)、辞書ファイルの保存形式、オートコレクトについてなど、これまで知らなかった使い方があり、やはり初級セミナーを受けてよかったと思いました。

せっかくのツールをうまく使いこなしたい

翻訳に集中していると、内容的なことに多く力を注ぐため、それ以外の細かいところには注意が行き届かないことも多々あります。

もちろん気を付けるようにはしているのですが、「気を付けています」では説得力もなければ実際どうなのかもわからない、何かあったときに「頑張ります」では今後本当に改善されるのかどうかもわからず、単なる「努力」というか精神論になってしまいます。

目を皿のようにして数値などの細かいチェックをするのであれば、機械的にチェックして、拾うべきミスは拾うべき。

わかってはいてもこれまでなかなか取り入れてこられず、普段の仕事では一緒に組んでいる人との相互チェックで済ませていたのですが、そんな他力本願で曖昧なものではいけませんよね。

WildLightのおかげで表組も簡単に作れるし、少し手間がかかるとしても、目視でチェックをするよりは格段に精度も効率も上がるはず。
だとしたら、表組やツールを使う手間など、手間のうちには入りません。

仕事の内容や人によって、納品するまでのチェックのやり方はそれぞれだと思いますが、WildLightでできることをうまく利用して、自分なりのチェックフローを改めて考えてみたいと思います。

2016年の翻訳祭で「誰も教えてくれない翻訳チェック」というTerryさんのセッションがあったのですが(過去記事はこちら)、これが本当に良かったのですが、あらためてその時の資料を見返して、チェックの工程の見直しの参考にしたいと思います。

中級セミナーが2/20(土)に予定されています。
今度は辞書の作成がメインでしょうか。

チケットの発売は2/1とのこと、今からとても楽しみです。

セミナーの日は本当は予定があるのですが、仮病を使ってでも(嘘)、なんとか都合をつけて参加したいと思います。

最後になりますが、Terryさん、どうもありがとうございました。
中級セミナーもとても楽しみにしています。

 

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【読了】Animal Farm

今年最初に掲げた3つの目標のうち2つめに「洋書を読む」(過去記事はこちら)というのを挙げていましたが、早速1冊読み終えました。

最初に選んだ1冊は、George Orwellの Animal Farm です。

 

昔Kindleで買ったままになっていたものです。
それほど長くないので最初の1冊としては良いのではないかと思ってこの作品を選びました。

「 みんチャレ」でモチベーションアップ

前回の記事で、「みんチャレ」 の洋書グループに参加したと書きましたが、この「みんチャレ」は、モチベーションを保つにはとても良いアプリでした。

他のメンバーが読んでいる本も参考になりますし、毎日報告するために少しでも読み進めようと頑張れます。
また、知らなかったKindleの機能を教えてもらったり、英語や本の内容についていろいろな意見が聞けるのも面白い。

隙間時間での読書なので、短い割には時間がかかってしまったのですが、Animal Farm は10日ほどで読み終えることができました。

語彙を増やすためにも今後も洋書を読み続けたい

これまで英語を読むのは自分が翻訳する分野のものが中心で、そのほかには新聞やニュースサイトばかり。ほとんど小説を読んできませんでした。

今回、豚の足はtrotter、馬や牛のひづめをhoofということを初めて知りました。
こういった初めて見る単語であってもその1冊本を読み終えるまでには何度も出てくるものは覚えられるので、原書で本を読むのを続けていくと語彙がどんどん増えていきますよね、絶対。
語彙力アップのためにも今後も続けようと思いました。

翻訳本と比較してみた

日本語版も別に持っていたので、原文で読んだ部分を後追いで翻訳本でも読んでみました。

 

内容は問題なく把握できていたようで一安心。 

翻訳本と比較しながら読んでいくと、いろいろ気づいたことがあって面白かったです。

最初に豚のメージャーじいさんが、人間追放して自分たち王国をつくろうと、農場の動物たちを集めて演説をするのですが、この演説、実は私は結構強い口調を想定して読んでいました。

「人間どもを追放せよ!!」くらいな、結構強い口調?

でも翻訳ではかなり紳士的な話し方で(内容的には厳しいこと言ってはいるけれど)、もしかしたら自分の読みが甘かったのだろうかと思ったりもしました。

また、人間を追放したあと7つの戒律が作られるのですが、その中のいくつかがいつのまにか書き換えられてしまいます。
たとえば、最初は"No animal shall drink alcohol." だったスローガンが "No animal shall drink alcohol to excess." へ、 "No animal shall sleep in a bed." が"No animal shall sleep in a bed with sheets."へ、最終的には、"All animals are equal." が"All animals are equal but some animals are more equal than others."へ・・といった具合です。

英語ではあとから文末に書き足されていく感じなのですが、翻訳版ではこの後ろに付け足されたものが文に組み込まれて訳されてしまっていたので、「付け足し感」がなくて残念でした。この付け足し感がないと、「あれ?そうだったかしら?」という感覚が変わってきてしまうのではないかと思いました。

もう1つ気になったのは、some animals are more equal than othersの、「more equal than」という表現です。。

equalが比較で使われるなんて知りませんでした。等しいと言っているのに比較するの?!ととても不思議な気がします。

翻訳では、「ある動物は、ほかのものよりも もっと平等である」と訳されていたのですが、日本語で読んでも「もっと平等」ってどういうことなんだろう??と、やはり不思議な気がしてしまいます。

調べてみると、いろいろなサイトでこの表現について書いていらっしゃる方がいて面白かったです。
中でもWikitionaryの説明を取り上げていらっしゃる方がいてこれはとても参考になりました。

(idiomatic, ironic) Ostensibly equal, but in reality more privileged.

これでようやく納得できました。

それにしても、この  more equal thanの語源は、この Animal Farm なのですね!

この表現はこれまで見たことがなかったのですが、今後使われている例を見つけたいなと思いました。(ウォッチ案件へ追加しました。)



私は英文を読むのはどちらかというと遅い方なのですが、いろいろ調べて読むともっと遅くなってしまいます。

多読のススメ的なサイトを見ると、「辞書は引かない」ということが書かれていたりしますが、私には無理。

ノルマがあるわけではないので、自分が納得いくまで辞書を引きながら読んでいきたいと思います。

さて、次は何を読みましょうね?

このままの勢いでGeorge Orwellの 1984 を読んでもいいのかなと思っていますが、内容的にもう少し軽いものを読みたい気もします。

 

少し考えてみることにしましょう。

 

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