千里の道をまだまだ走る~ときどきひとやすみ~

分析機器、医療機器の日英翻訳をしています。翻訳者生活10年目に入りました。翻訳や日々のつぶやき(料理・パッチワーク・読書)など、いろいろ書いていきます。

『英文法総覧(大改訂新版)』を読んでいます。

去年の秋に購入した『英文法総覧(大改訂新版)』を、ようやく読み始めました。
せっかくの「総覧」なので、頭から順番に読み進めています。

「序論」から読み始めて「第3章 文型」(p39)に入ったところなのでまだ全貌はつかめていませんが、ここまで読んだ限りでは読み物としてもかなり面白い文法書だと思いました。
ぜんぶで900ページ近くあるので、丁寧に少しずつ読んでいこうと思います。


日英翻訳をする上で、英語の文法書は必需品です。

ネイティブではない以上、自分が書いた英文の正当性を主張するには、きちんとした文法に基づいた英文を書かなくてはなりません。

また、よくいうことですが、言葉は生き物なので、「変化するもの」という意識は持っていますが、自分で納得のいく根拠を示せないものは極力使わないようにしています。(過去記事参照:

翻訳の仕事を始めてから、『ロイヤル英文法』と『表現のための実践ロイヤル英文法』は通しで読みましたが、その後はなかなか繰り返しの通読ができていません。『英文法解説』と合わせて3冊、調べたいことがあった時に必要な箇所を読み比べながら参照する、という感じで使っています。
一度通しで読んでいるはずなのに、改めて読んでみると新たな発見があったりして、参考になることは多いです。

余談ですが、この3冊の文法書は、2年ほど前にあるサービスを通じて電子書籍化してしまいました。タブレットで見られるものの、やはり文法書は紙版で見るのが一番見やすいので、電子化してしまったことを今更ながら後悔しています。(会社ですぐ見られるので便利ではあるのですが。)
この『英文法総覧(大改訂新版)』は、いつでも読めるように、紙の本のままでそばに置いておきたいと思います。



「はしがき」と「序論」に、「英文法とは何か」的な記載が繰り返し登場します。

英文法は、最終的には、英語を正確に読み書き話すための裏付けとなるものである.

英語に向き合ったときに得られる「感覚」の「理論的な裏付け」を与えてくれるのが英文法の知識である.

英文法とは、英語の文法である.英文を正しく解釈するためにはなくてはならないものであり、正しい英文解釈を導き出す智恵である.文法は、文の成り立ちをつかさどる仕組みであるとともに、的確な英文を作り出す拠り所になっている.英文に潜む「匂い」やニュアンスまでも読み取ることである.

英文法の知見は、英文を読み解く最大の武器となり、確かな拠り所を与えてくれるものになる.

上記以外にも、同様の記載があり、文法こそが自分が英文を読み書きするときの拠り所になるものなのだと思うと、この文法書がとても心強い存在であるように感じられ、ますますこの本を読むモチベーションが上がります。



序論の「英語と日本語の関係」のセクションに書かれている内容は、翻訳者にとっては大事なことなのではないかと思いました。
長いのでここには引用しませんが、p19の「英語と日本語の関係」の第3段落目からp20の最初の3行。
この本をお持ちの方は、ぜひ一度目を通してみてください。

この「英文法総覧」から感じたのは、ただ文法の知識だけをまとめたものではなく、英語を解釈する上で拠り所になるものを人生をかけて書き残そうという強い意志、そして『ロイヤル英文法』や『表現のための実践ロイヤル英文法』にはない気迫のようなものでした。
それなら読む側もしっかり読まば・・と、膝を正し、背筋を伸ばして読んでいます・・・というと少し大げさですが。



今回手元に置いておくものとして『英文法総覧(大改訂新版)』を選んだのですが、他にも欲しい文法書が2冊あります。


1冊は最近出た復刻版です。

でも、前から気になっている、こちらの本が先かな。

いっぺんに全部は読めないので、まずはこの本を読み終えたら次の1冊を購入しようと思います。